姿勢と呼吸

姿勢と呼吸
呼吸の仕組み

吸気(息を吸う)の時は横隔膜が収縮して引き下がり、胸郭腔が上下方向に広がります。同時に肋間筋の収縮が起こることで胸郭腔が側方に拡大します。これらの動きで肺は拡張され外気を肺胞内へ取り込みガス交換を行います。

呼気(息を吐く)の時は、横隔膜、肋間筋が弛緩して胸郭腔が元に戻ることで起こります。

 

呼吸がうまくできないと?

呼吸がうまくできないと、局所の痛みを生み出したり、気持ちや心理面においても影響を与えたりします。また、呼吸に伴う胸郭の動きは、椎間板の循環を促していると言われています。

呼吸と痛み

呼吸にてガス交換がうまくできないと、組織へのガスの交換もできなくなってしまいます。

組織にて十分な酸素の量がなくなると、嫌気的にエネルギーを作り出し組織が酸性に傾いたり、エネルギーを作る過程で生まれる水素イオンが代謝されなくなってしまうため痛みを生み出してしまいます。

呼吸と気持ち

呼吸と自律神経系には繋がりが見られています。緊張が強い時や興奮している時は交感神経が優位に働いています。その時の呼吸は、浅い呼吸が見られます。逆に、副交感神経は安静時に多く働いています。副交感神経が優位にな時は、ゆっくりとした深く長い呼吸が見られます。

呼吸は自分でもコントロールできるので、緊張感が続いている方は、深く長い呼吸を行うことで肺迷走神経(副交感神経)の反射を使い、落ち着きや安心感を得ることができます。

呼吸と椎間板

解剖学実習に行った時に、トムが呼吸と椎間板との関係について教えてくれました。

呼吸に伴う胸郭の上下の動きによって、椎間板内の水分を循環をしているそうです。水分が無くなった椎間板では衝撃を吸収できないため、圧迫骨折や骨の変形に繋がると思います。

うまく呼吸ができない原因

姿勢と呼吸

最初に書きましたが、呼吸をするには横隔膜や肋間筋の収縮によって胸郭腔が上下左右に広がることが必要になります。

ということは、横隔膜や肋間筋の収縮がうまくできていないか、胸郭の動きができていないと呼吸がうまくできなくなってしまいます。

その原因を作っているのが、姿勢になります。猫背のように胸郭を下げた位置で姿勢を保持していると、筋肉の性質により横隔膜や肋間筋がうまく収縮できなくなってします。また、同じ姿勢をとり続けてしまうと筋膜が硬くなってしまい胸郭の動きを制限してしまいます。

姿勢は筋膜で決められてしまうため、効率的に姿勢を変えるにはStructural Integrationをお勧めします。猫背の姿勢の改善方法は、猫背の治し方1猫背の治し方2ー全身の繋がりー をご参照下さい。

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